大右衛門 天山店の店舗デザインについて

手作りうどん大右衛門 天山店
筑紫野市天山613-6 (朝倉街道を甘木方面へ2km左側) Tel:092-926-5367

<テーマ> お客様に最高の喜びと「まいった!」ともらす感動を・・・

うどんは鎌倉時代の切り麦に始まり、室町時代にはほぼ今と同じ製法で”うどん”と呼ばれていたようです。長い歴史を経て今日のうどん店の形が出来てきました。
今回、手作りうどん大右衛門天山店の歴史を考えると昭和52年創業から試行錯誤を繰り返し、27年の歳月が流れました。江嶋相談役のあくなき食材へのこだわりと、日々変わる温度に対しての麺のゆで時間、水質による塩分のサジ加減の研究、季節による食感など、どれをとっても一つづひたむきに積み上げてきた結果が多くのファンを獲得できた理由だと思います。
今回のリニューアルは店舗の老朽化が激しく、カワラの色落ち、舗装のひび割れ、厨房床の破損など、あらゆる所の傷みが激しいことや、トイレが外部にあり和式の古いイメージであったことなどを改善するために取り組みました。
ただ店内やトイレがきれいになれば良いということでなく、今までのお客様への感謝とこれからも大右衛門に来てくださるお客様に応えるために、こぎれいな場を提供するサービスの具現化であります。
厨房のレイアウト、器具の仕様等は全て研究熱心な江嶋相談役の考えでオリジナル化したもの。アイディアが随所に見られました。外装のデザインは今までの白壁から日本の伝統色を使った粋で趣きのある「そひ色」に決定しました。(「歴世服飾考」によれば、称徳天皇が767年に朝服としてそひ色を用いたとされている。)
内装面では厨房と客席が一体化していたので厨房への目隠しとカウンター横の竹格子で厨房を区画してお客様が落ち着いて食べられるように配慮しました。
27年前の原点があり今の大右衛門がある事を考えると大右衛門の味の重みをズッシリと感じてしまいます。今まで数え切れない程のお客さんを満足させ、その証しとして大切なお金を生んできたくす丸太の椅子が時代の流れと味の重みを表現できないか?とかなり悩んで末、この椅子を輪切りにして大右衛門の歴史をデザインしようと閃きました。輪切りにした板に精魂込めて1枚づつ墨で年号を書き入れていきました。うどん一筋27年、お客様においしい味を出すために戦い続けている太右衛門相談役をはじめ、スタッフの足跡を考えなら書いていると、その重みが全身に伝わってきて汗がにじみ、数回の休憩をとらなくてはとても書けないくらい体力を消耗する作業でした。その板が壁に掛けられた瞬間、思わず店作りさせて頂いている幸せとデザイナーとしての至上の満足感を誰よりも味わうひと時でした。
このお店もまた永くファンを増やし続けていくことでしょう。


写真1
(改装前)

写真2
(改装前)

写真3
(改装前)

写真4
(改装前)

写真5
(改装前)

写真6
(外観)

写真7
(入口)

写真8
(店内)

写真9
(外観)

写真10
(カウンター)

写真11
(店内)

写真12
(トイレ)